『鬱屈精神科医、占いにすがる』

 

著者：春日武彦

 

出版：太田出版

 

 

精神科医？この人が？本当に？と思うぐらい、人間らしい。というか、ある種のコメディだ。

 

春日武彦さんの著書を読んだのはこれが初めてではないが、ここまで赤裸々に「春日武彦」を表現している物は初めてだ。

 

精神科医で作家である彼の頭が良いのはある意味当たり前かもしれないが、あえて思った。

 

「彼はとても頭が良い」

 

そして、それゆえにとても苦しんでいる。

 

頭の良さだけでは説明できない面白さ（面白いと思うのは失礼に当たるのかもしれないけど、悪気は全くない）。

 

とても、とても屈折している思考。

 

そして、なぜか共感してしまう自分。

 

苦しい時、しんどい時にこそこの本を読んで救われていた自分。

 

なぜだろう？

 

こんなにすごい人が苦しんでいる、自分の方がまだマシだ。という比較からだろうか？

 

この本は小説では無いけれど、小説の一つの役目としては「共感」や、「比較」からくる安心感を与えることかもしれない。

 

この本は私小説的である。故にリアルで、心に届く距離が短い。

 

彼は（ネタバレになるので詳しくは説明しない）自分の顔にコンプレックスがあり、ブサイクだと思っている。

 

多分、多くの人がそうするように俺も「春日武彦」とググってみた。どんな顔をしているのか？

 

写真をみて驚いた。想像していた顔とは違ったからだ。

 

これは個人の感想だが、彼はとても良い顔をしている。

 

どう良いのか？

 

うまく説明できないが、「明るい」と思った。少なくとも陰気な感じはしない（文章の感じから申し訳ないが暗い顔を想像していた）。

 

愛嬌もある。好感が持てる人相だと思った。

 

彼はとても頭が良く、とてもピュアで、とても良い顔をしている。

 

俺は彼のファンになった。